フライトロードにて 広島空港から世羅まで約30㎞を ほぼノンストップで走れるこの自動車道路は フライトロードと呼ばれています。 地道と比べるとかなり時間短縮できるため、 北部に営業に行く場合はよくこの道を通っています。 多いときは週に2~3回通ること…
ただ朽ち行く姿に 農家の納屋の隅でそれを見かけることがあります。 もはや使われることもなく、 ただ寂しげに鎮座するそのお姿には哀愁すら感じます。 これを預かることは今まででも数回しかなく、 今回が最後かもしれません。 土壁と同化しそうなくらい錆…
鋤簾(じょれん) よく見かけるこの道具、土砂などをすくい集めたりする用途に使われます。 水抜き用の穴が開いてたり、そうでなかったり。 うまい表現をしている文章がありました。 【和製スコップ】 まさにこれに尽きます。 ほぼ全農家が所有していると言…
鍛冶屋の三角鍬 瀧川鉄工所謹製の三角鍬です。 このように鍛造で造られた三角鍬は珍しいですね。 市販のものでは満足できないお客様がときどき注文されます。 刃全体に焼き入れ(熱処理により硬度、靭性を上げる事)が施してあるので、 研ぎ直しさえすれば無…
黄昏時に 『私ももう90だからこれが最後じゃろうねぇ・・・』 こう言われた時、正解の返答が未だに解りません。 いやいや・・・、まだまだ、ははは。 と誤魔化したように笑うのが精一杯です。 まだまだですよ、頑張ってください・・・ これは違う気がしま…
またまたO氏登場 このブログ常連のO氏・・・まあ岡田さんなんですけどね(アッサリ その筋では有名な、知る人ぞ知る・・・そうあの岡田氏なのです。 今回は内容の都合上名前ださせていただきますよ(了承済)。 www.takitetu.com 農業の枠を越えていろいろな活動…
最初に あらかじめ言っておきますが、瀧川鉄工所は野鍛冶、農具の鍛冶屋です。ハサミに関してはほぼ門外漢、ハサミにはちゃんと鋏鍛冶という専門の職人さんがいます。 今回の記事は専門職の知識ではなく、素人の小細工と思って頂ければ幸いです。 切れそうで…
絶妙のタイミングで それは毎年必ず伺っているお宅に行った時の事。 車から降りて中庭に入った所で丁度奥様に出会いました。 「いつもお世話になります、瀧川鉄工所です。この度は何かご用は・・・」 と言いかけたところで、 プルルルルルルルルルルルー 家…
斫り(ハツリ)用工具の修理 これは工事現場で使われる斫り(ハツリ)ノミです。 その大きさや形状によりピッグ・ブルポイント・チゼルなどと呼ばれています。 建物の解体現場などで、このように作業している方をみなさんも見たことがあると思います。 この…
ある寒い日 今日はこの冬一番の冷え込み、北部は雪が降るかもしれないとか。 貧乏暇なしの鍛冶屋さんは休むわけにもいかずいつもの配達に向かいます。 目的地はやや北部ですが、そこまで雪深い地域でもなく大丈夫かなと思いながら車を走らせます。 最初は晴…
生きた記事 知り合いの紹介で編集長の沢田さんと知り合いになったのが一年前、 それから時々出来上がった雑誌を頂くようになりました。 丁寧なお手紙も添えられています。 せっかく頂いたので目を通してみるとなかなか興味深い。 最近はスマートフォンなどで…
包丁が折れた! 包丁が根元から折れてしまっています。 和包丁ではよくあることですが、柄差し部分が朽ちてしまっています。 鋼と鉄で造られた包丁は最後はこうなる運命なのです。 今回の依頼はこの包丁を再生させることです。 壊れた包丁を再生する 準備す…
鍛冶屋の謎 瀧川鉄工所は主に鍬の製造・修理を行っており、 だいたいの物は自前で作っています。 毎日振っている金槌や、様々な火箸も先代が造った物です。 ですが、鍬の柄だけはどうにもなりません。 さすがに仕入れています。ええ、人任せです、ハイ。 今…
コロナ禍において 令和2年になってコロナという流行病が世界を席巻するようになってから、社会の様相がめまぐるしく変化していきました。 緊急事態宣言、密を避ける為のソーシャルディスタンス、マスク警察・・・ 今まで聞いて事の無い言葉が次から次へと飛…
杵(きね)じゃないよ掛矢だよ! ぽっきりと柄が折れていますね。柄の交換をしなくてはいけませんが、さて、これは何でしょうか? 木製のハンマー、木槌、呼び方はいろいろあるかと思いますが、これは掛矢【かけや】という道具です。 土木協会のサイトによれ…
韓国製押し切り!? 先日預かったこの道具で我々は頭を悩ませております。 依頼主が韓国旅行で現地の鍛冶屋で購入したものです。どうにもキムチを切る?道具らしく、なんと千円とか二千円くらいだったそうです。 刃渡り17㎝ほどの包丁のような刃をL字型の…
壊れた除草機 有機農家の方が持ち込んだ依頼ですが、これは・・・・・ 確か、除草機だったかな・・・? よく農家の納屋で朽ち果てている姿を見かける事はありますが、こんなにきれいな姿を見るのは初めてです。現役で使用しているそうですが、片側の付け根が…
読者からのお手紙 鎌の柄の長さは決まっているのですか? 1尺2寸とか3寸とか聞いたことがあるのですが・・・ このブログを書き始めてそろそろ2年、読者登録は全宇宙に8人・・・。 細々とやってまいりましたが、初めて質問が届きました(泣)。 いい質問…
鍛冶屋の秘密道具 『おたくの鍬は角度がぴったりで使いやすいねー』 と修理した鍬の角度を褒められる事がよくあります。切れ味ではないのかと拍子抜けするのですがそれはそれで嬉しいですね。 使い古した鍬を修理する為に一旦柄から外し、曲がったり折れたり…
うちのお店は日曜日と盆と正月が休みですが数年に一度平日に仕事をしない日があります。 そして、その日がやってきました。 火床(ほど)を造り直す 鍛冶屋の仕事は火造り鍛造、毎日鉄を融点近くまで焼いてハンマーで叩いています。この火を燃やして風を送り…
今回は当初の予定を変更して特別企画をお送りします。尚予定しておりました【鍛冶屋とフラメンコダンサー】は後日掲載させて頂きます。 特別企画 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が全国に拡大されました。事態が収束する兆しは未だ見えません…
鍛冶屋覚え書き 我々は基本的に記憶と経験で仕事をする生き物なので見本みたいな物はほとんどありません。変わった仕事を受ける度に過去の記憶を呼び起こして作業しています。なので久しぶりな仕事は勘が戻るまでちょっと時間がかかったりすることもしばしば…
クイズ鍛冶屋でドン さてコレは何でしょう? コレはスーパーレア★★★★★な依頼ですね。数年に一度あるかないかの仕事です。置いてあるスパナと比べてもかなり大きな物ということが分かります。 え、いえいえ死神の鎌ではないdeath。 これは押し切りの刃。うち…
小さな悪魔 「目が!目がぁぁぁぁぁ~!」 ああ、目にゴミが入ったんですね、分かります。ウチの職場でも良くあるんですよね。 ハンドグラインダーや大型グラインダーなどの研磨機械もよく使うのでゴーグルなどの安全対策は必須です。 しかし、目に入るときは…
鍛冶屋も歩けば棒に当たる 鋤簾の柄はよく折れるので柄の交換もよく行っています。その日も新しい柄に交換する仕事があったので柄を納めてある棚を空けてみると、おやおや、残り数本しかありません。 在庫が寂しくなったのでいつもの問屋さんに買いにいく事…
鍛冶屋のスチームボーイ 製造から販売まで全て自分でこなす瀧川鉄工所なのですが、さすがに柄は自分で作ることはできません。なので柄は問屋さんから仕入れています。 ある日、柄を届けてもらった時に柄の曲がり直しの話になった時の事です。 「さすがに鋤簾…
O氏からの依頼 今回もO氏がらみのお話なので知らない方はコチラをどうぞ。 www.takitetu.com 以前、O氏のお宅に伺った時、大事そうに一冊の本をを持って来て私に見せてくれました。その本は農業の写真集で、農作業中の農家や農具の写真を専門に撮っている…
鍛冶屋の無駄遣い いやぁ、近日中にまた挑戦するとかなんとか言ってはや数ヶ月。 www.takitetu.com いえいえ忘れていたわけじゃないんですよ。むしろいろいろ試していました。 飾り職人への道のりは遠く険しい・・・。 ビー玉です。焼き鳥みたいに串刺しにし…
ここは瀧川鉄工所。広島県竹原市、その町外れにひっそりと佇む鍛冶屋です。 ここには農具について色んな悩みを抱えた方が訪れますが、今日は一体どんなお客さんがやってくるのでしょうか。 柄の付いた鉄の棒 おや、 これは一体なんでしょう? 座頭市の仕込み…
最近の農具事情 農業従事者の高齢化に伴い、昔は一日中鍬を振っていた方もだんだんと重い鍬が使えなくなってきます。 『もう鍬が使われんようになったわ』 そう言って寂しそうに笑うお客さんも少なくありません。それでも自分が使える軽い鍬を持って田畑に出…