鍬以外の道具

あなたの鳶口は大丈夫?

鳶口とは 鳶口(とびぐち)とは林業などで材木の運搬などに使われる道具です。 その名の通り、鳥の鳶(とび)のクチバシに似ている所からついた名前で、 1,5メートルから2メートルくらいの長い柄がついているのが特徴です。 引っかけるのではなく打ち込んで…

哀愁の屋根鋏

ただ朽ち行く姿に 農家の納屋の隅でそれを見かけることがあります。 もはや使われることもなく、 ただ寂しげに鎮座するそのお姿には哀愁すら感じます。 これを預かることは今まででも数回しかなく、 今回が最後かもしれません。 土壁と同化しそうなくらい錆…

ハサミが切れるようになる方法

最初に あらかじめ言っておきますが、瀧川鉄工所は野鍛冶、農具の鍛冶屋です。ハサミに関してはほぼ門外漢、ハサミにはちゃんと鋏鍛冶という専門の職人さんがいます。 今回の記事は専門職の知識ではなく、素人の小細工と思って頂ければ幸いです。 切れそうで…

斫りノミ(ピッグ・プルポイント・チゼル)の修理

斫り(ハツリ)用工具の修理 これは工事現場で使われる斫り(ハツリ)ノミです。 その大きさや形状によりピッグ・ブルポイント・チゼルなどと呼ばれています。 建物の解体現場などで、このように作業している方をみなさんも見たことがあると思います。 この…

包丁に柄を付ける

包丁が折れた! 包丁が根元から折れてしまっています。 和包丁ではよくあることですが、柄差し部分が朽ちてしまっています。 鋼と鉄で造られた包丁は最後はこうなる運命なのです。 今回の依頼はこの包丁を再生させることです。 壊れた包丁を再生する 準備す…

大陸からの刺客

韓国製押し切り!? 先日預かったこの道具で我々は頭を悩ませております。 依頼主が韓国旅行で現地の鍛冶屋で購入したものです。どうにもキムチを切る?道具らしく、なんと千円とか二千円くらいだったそうです。 刃渡り17㎝ほどの包丁のような刃をL字型の…

除草機がやってきた!

壊れた除草機 有機農家の方が持ち込んだ依頼ですが、これは・・・・・ 確か、除草機だったかな・・・? よく農家の納屋で朽ち果てている姿を見かける事はありますが、こんなにきれいな姿を見るのは初めてです。現役で使用しているそうですが、片側の付け根が…

お便りコーナー

読者からのお手紙 鎌の柄の長さは決まっているのですか? 1尺2寸とか3寸とか聞いたことがあるのですが・・・ このブログを書き始めてそろそろ2年、読者登録は全宇宙に8人・・・。 細々とやってまいりましたが、初めて質問が届きました(泣)。 いい質問…

環と鉤

鍛冶屋覚え書き 我々は基本的に記憶と経験で仕事をする生き物なので見本みたいな物はほとんどありません。変わった仕事を受ける度に過去の記憶を呼び起こして作業しています。なので久しぶりな仕事は勘が戻るまでちょっと時間がかかったりすることもしばしば…

君の名は (鍛冶屋編)

クイズ鍛冶屋でドン さてコレは何でしょう? コレはスーパーレア★★★★★な依頼ですね。数年に一度あるかないかの仕事です。置いてあるスパナと比べてもかなり大きな物ということが分かります。 え、いえいえ死神の鎌ではないdeath。 これは押し切りの刃。うち…

商品レビュー『角度自由自在』使ってみた!

鍛冶屋も歩けば棒に当たる 鋤簾の柄はよく折れるので柄の交換もよく行っています。その日も新しい柄に交換する仕事があったので柄を納めてある棚を空けてみると、おやおや、残り数本しかありません。 在庫が寂しくなったのでいつもの問屋さんに買いにいく事…

簡単そうな物ほど難しい話

ここは瀧川鉄工所。広島県竹原市、その町外れにひっそりと佇む鍛冶屋です。 ここには農具について色んな悩みを抱えた方が訪れますが、今日は一体どんなお客さんがやってくるのでしょうか。 柄の付いた鉄の棒 おや、 これは一体なんでしょう? 座頭市の仕込み…

万能鍬を求めて

最近の農具事情 農業従事者の高齢化に伴い、昔は一日中鍬を振っていた方もだんだんと重い鍬が使えなくなってきます。 『もう鍬が使われんようになったわ』 そう言って寂しそうに笑うお客さんも少なくありません。それでも自分が使える軽い鍬を持って田畑に出…

チョウナ(薪割り斧)の柄の差し方

古いチョウナの修理 今回修理するのはこのチョウナ。我が家ではチョウノって言ってますけど。 どうやらチョウナの方が大勢のようです。この古いチョウナが納屋から出てきたので薪割りに使えるようにして欲しいというのが今回の依頼です。 チョウナにも色々と…

ツルハシは実は尖っていなかった説

ツルハシ(鶴嘴) 主に土木作業用に使われており、固い所を崩したりするのに使われています。 とネットでは大体こんな風に説明されている道具です。 みなさんがよく見かけるツルハシはこんな感じではないでしょうか? これを瀧川鉄工所では片ツルと呼んでい…

『こまざらい』をご存じですか?

鍛冶屋ネットに頼る いや、ちょっとしたことがきっかけなんですがね。ブログの記事を練っている時にある鍬の画像が必要になってしまったんですが、どうにも現物が手元にないので渋々ネットで検索して引っ張ってこようかと思ったんです。 ところがね、ないん…

押し切りの管理について

押し切りとは 藁(わら)の束を刃と押し棒の根元に挟んで、押し棒を下ろすと一気に両断してくれる便利な道具です。ウチの鍛冶屋でも年に何台も修理しています。 日々の管理 押し切りは刃物です。錆びてしまうと切れ味が悪くなったり最悪の場合動かなくなって…

鎌の柄の交換

柄の折れた鎌 鍛冶屋ですので刃物研ぎも致します。包丁から押し切りまで、出来ない物以外は何でも承ります。今回の依頼は山鎌ですが柄に大きな亀裂が入っているので柄の交換もしなくてはいけません。 折れた柄から鎌を外す さて、柄を抜くのも結構大変な作業…

鍛冶屋とぶんぶく茶釜

いつも農具の修理をしていますが一つとして同じ鍬はありません。劣化や摩耗の具合などから持ち主の人となりが見て取れます。なので、こちらもその方に一番合った修理の仕方をいつも心がけています。 お客様との出会いは一期一会、そう思って日々精進していま…

草鎌の曲がりを直す方法

草鎌を研ぐ前に 今回預かったのは切れなくなった草鎌3本です。鍛冶屋なのでもちろん刃物研ぎも出来ます。鎌にも用途やサイズによっていろいろな種類がありますが柔らかい草を刈る時に使うのがこの草鎌、又は薄鎌と呼ばれる鎌です。 文字道理り薄い鎌なので…

スコップ(シャベル)の柄の交換

スコップの柄が壊れてしまった スコップの握りが取れてしまいました。これでは力が入りませんね。スコップ自体はまだしっかりしているので柄の交換をする事にしましょう。野鍛冶って割と便利屋のような職業なのでこういう依頼もちょくちょくあります。 スコ…

ゲンノウ(玄能)の柄を入れる方法

ゲンノウ(玄能)とは? ここにお客さんから預かった一丁のゲンノウがあります。長年の使用で角が取れて丸くなり柄もボロボロです。 一口にゲンノウと言ってもいろいろありまして、これは石工さんが使う方のゲンノウです。ハンマーのように見えますが石工さ…