三角ホーとは
ホー(hoe)
英語で鍬(土を起こしたり、除草するときに使う長い柄のついた農具)
そのお客さんは、『ちょっと折れたから柄を換えてーや』
気軽にそう言いました。そして取り出したのが、
ぼろぼろになった三角ホーです。こういう鍬は基本的に直せるような造りになっていないのですが、そこは職人として『出来ない』とは絶対に言いません。実は最近は三角ホーの柄の交換の依頼も大分増えてきて割と手慣れてきました。
では全国の三角ホー愛好家の方にに送る柄の交換を始めます。やるからには徹底的に!
まず残っている金具を外して分解します。
そして、金具部分のボルトの穴を溶接で潰します。
溶接部分をまっすぐにハンドグラインダーですり落とし、柄に差し込む時に入りやすくするよう金具の先を少しとがらせておきます。
そして、丸くなった刃先も研いでおきました。
これで刃先の準備は終わったので柄の支度にかかります。
通常、市販の三角ホーには鋤簾に付けるような丸い柄が付いているのですが力が入りにくいのでに四つ鍬などに付けるような小判型の柄を付けたいと思います。
まず柄に入る金具の部分より少し長く線を引き、
その線に沿って電ノコで切れ目をいれていきます。そのとき線の真ん中を切るようにするのではなく、少し太い線を引いて端々を切っていき線を抜くようなイメージで切ってください。切れ目が細い、あるいは短いと金具を入れた時に柄が割れる原因になります。そして、リングを入れる部分を削ります。
削ったらリングを入れます。あんまりきっちりと入れる必要はありません。
若干余裕があるくらいでいいです。
このとき柄を削った部分や柄の角にヤスリをかけておけばきれいな仕上がりになります。そして、柄を差し込んでください。このとき鍬を地面に着けてたたき込もうとすると刃が折れたり首が曲がったりしかねないので、最初だけ軽くたたき込んで少し入ったら、持ち上げて宙に浮いた状態で柄の先を叩いてください。
すると、少しずつ鍬の方から柄に入っていきます。
丸棒の部分が少し入るまでしっかり入れてください。これで少しでも曲がりにくくなります。そして、2カ所にドリルで穴を開けてボルトで留めます。
ワッシャーは両側に入れるので4枚使います。
はみ出たボルトは少し残して切り落とす。そして、残した部分をハンマーで叩いてかしめてください。そうする事によってボルトが緩みにくくなります。
しまった、反対側の画像だった、痛恨のミス(泣)
はい、出来上がり。あとはお客さんが満足してくれればで幸いです。長々と説明しましたが、割と特殊な技術とかは必要なく、道具さえあればなんとかなるので挑戦するときは参考にしてみてください。
それでは皆さんよき鍬ライフを~!