タケノコを掘る前に!

営業先でお客さんからよく聞く話ですが、『若い者が竹の子掘りに行って曲げたんよー』そう言ってグニャリと曲がった板鍬(地方によっては平鍬、金鍬と呼ばれる)を出してこられます。

そんなとき私はいつも、『板鍬で竹の子掘ったらダメですよ、もっと丈夫な鍬持って行かないと!』どこでいつ言ったか分からないくらい言ってます。

何故か皆さん納屋の中から板鍬を選んで竹の子を掘りに行かれるようです。軽いからでしょうかねぇ・・・。板鍬は文字どうり板のように薄く造ってあり、山仕事に使うには不向きな鍬です。なので、竹の子掘りに使用して無理をしたら、鍬の刃が折れたり曲がったり、はたまた柄が折れるのが関の山です。

竹の子掘りに適した鍬

タケノコ掘りに適している鍬といえば山鍬、バチ鍬、唐鍬・・・呼び名は地方でいろいろあるとは思いますがだいたいこういう鍬、

柄の付いていないバチ鍬

板鍬より狭く厚みがあり、とにかく丈夫!

アップで撮影された横向きに寝かせて並べてある板鍬と山鍬

上の薄いのが板鍬で下が山鍬ですが、ほらこのとうり鍬の厚みが段違いです。板鍬よりも角度が高く重量もあるので打ち込みやすいのが特徴です。そして、もう一つ大事なのが柄の太さです。板鍬に付いている普通の鍬の柄では、山仕事には向きません。竹の子掘りではテコのように使うことがあるので、柄が折れてしまうことがよくあるからです。

全体が入るように撮影された横向きに寝かせて並べてある柄の付いた板鍬と山鍬

山鍬には山鍬の柄、太さがまるで違います。握りが太いと力がよく入りますし、これぐらいの太さがないと山仕事には耐えられません。あとバチツルを使われる方もいますね。

柄の付いていない古いバチツル

ツルハシとバチ鍬が両方付いているので便利です。 これも無理のきく鍬です。

瀧川鉄工所のある広島県竹原市も竹の子の産地として有名です。そのため竹の子農家さんとも付き合いが長く、多くの方に瀧川鉄工所製のタケノコ掘り鍬を使用して頂いております。竹の子農家さんはよくシーズンの前に修理に持って来られるので、この鍬を見ると『ああ、春が来たな~』といつも思います。

瀧川鉄工所製のタケノコ掘り鍬

これが竹の子掘り鍬です。幅を狭くして立ち込みを良くし、長さも1尺程あるので簡単に竹の子を掘る事ができます。もちろん厚みを持たせてあり、丈夫です!

このように目的に合わせた鍬選びが作業効率や道具を大事にするという面で大切になってきます。

最後に

これもお客さんがよく言われる事なのですが、『竹の子買った方が安くついたわー』そう言って苦笑いされます。そうことにならないように道具選びにはお気をつけください。

それではよき鍬ライフを~!