有機農家の収穫祭
若くて元気な農家の方を中心としたイベントで主に有機野菜の販売、それを使った料理の販売、その他、手仕事で作られた物を販売するお祭りで今年が第2回目になります。
ご縁というものはどこで生まれるかわからないもので、このイベントの実行委員の方とは鍬の修理を通して知り合い、去年の第一回目から参加させてもらっています。
出店名一覧を見ると○○農園、××農場、瀧川鉄工所、●●農園・・・と一際異彩(異臭?)を放っています。もちろん、鍬や草取り用手鍬を出品します。ほかにも、竹細工や手紡ぎ手織りの衣類を販売される方も出店されていますが、これだけ鉄臭いのはウチだけですね。
去年は一日中シトシト雨が降っていたので柄は濡れるし、鍬には錆びが浮いてくるし、ストレスが半端なかったですが今年は晴天です。おまけに”瀬戸内みはら美味しいマーケー”というイベントと同時開催なので出展数は計50店ほど、今回の会場は駅前広場ということもあり集客予想は5000人程度らしいです。
人事を尽くして天命を待つ
去年はウチにある在庫を持っていったという感じでしたが、今年は気合いを入れて準備してきました。6種類の草取り用手鍬、板鍬2丁、四ッ鍬2丁、さらに鍬に入れるクサビ。もう農業のプロから素人までどんとこいという陣構えです。ですが、主な目的は瀧川鉄工所という鍛冶屋があることを知ってもらうということなので名刺も沢山刷ってきました。
これだけ手鍬が揃うのも滅多に無いことなので紹介しておきますね。全て鍬と同じ材料と製法で造ってあるのでよく切れますよ!
バチツル型
名前の通りバチツルを手鍬サイズにしました。
細いツルで狭い所やバラスの中の草までしっかり取れます。
スプーン型
スプーン両面に刃が着いているので打つ、削る自由自在。
握りも金属なので柄が抜ける心配はありません。
はてな型
打つ事に特化した手鍬です。
重量もあるので少々大きな草でも根ごと取れます。
半月型
削って草を取るならこれにお任せ。切れ味抜群です。
笹の葉型
スプーン型より細身、さらに草鎌の柄を使用しているので、とにかく軽い。
貝掘り型
これはウチの親父作。草取り以外にも苗の植え替えや貝掘りにも使える便利な一品。
草の取り方も人それぞれです。庭を痛めないように一本一本草を取る方、手早く一気にガリガリ削りたい方、とにかく軽いのが良い方などなど。なのでお客さんの注文に応えていくうちにどんどん種類が増えてこんな事になっています。便宜上名前を付けてはいますが、この名前で注文を受けた事は一度もありません(悲)。作ればまだあるのですが、仕事の合間に作っていたので今回はこれくらいでいこうと思います。
AM10:00 イベント開始
開始と同時に、というか開始前からフライング気味にどんどん人が流れてきます。多すぎて淀むような事もなく、かといって途切れる事も無く良い集客具合です。みなさん狙ってきたかのようにお目当ての野菜を購入されています。出店されている農家の方はほとんどが30~40代の若い方ばかりなので威勢のいい声があちこちから聞こえてきます。
そうこうしているとウチにもお客さんがやってきました。妙齢の女性2人組が『キレイね~、凄いね~』そう言いながらテーブルの上に並んだ手鍬をまじまじと見ています。そうとも驚くがいい、これが鍛冶屋の仕事なのだよ、フフフ。すると次の瞬間、
『これ何に使うの?』
なん・・だと!痛恨のミス!そういえば草取り用手鍬と一切書いていませんでした!種類が豊富なのも災いして余計混乱させているみたいです。手に取ってもらったりしながら、一からきちんと説明してようやく理解していただきました。
そうなのです、今回のイベントは有機野菜の販売が主な目的・・・賢明なあなたならもうお分かりでしょう。ここに来ているほとんどの方は非農家なのです。そして、駅前ということもあり客層がまあまあ若い!鍛冶屋という存在すら知らない人もいるでしょう。しかし、そんな事は始めから分かっていたことなので気にしていません。むしろそういった方に知ってもらうチャンスと思って参加しています。
それからも好奇心の強い方や、偶然やってきた農家の方などいろんなお客さんと接することが出来ました。いつもとは違う切り口からの質問が多くて私もタジタジです。
PM3:00 イベント終了
いやあ、疲れましたね。普段営業回りしていますが、いざ店に立ってお客さんを待つ立場になると妙に緊張してしまいました。自分でも滑稽に思えますね。売り上げの方は・・・お察しください(汗)。まあ、沢山の方に名刺を渡すことができたので今回の目的は達成したかなと思っています。そういえば、去年のイベントで手鍬を買って頂いた方が今回も来て下さり、また手鍬を購入して頂きました。嬉しかったですね~。また、次も呼んで頂ければ参加したいなと思っています。