鍛冶屋も歩けば棒に当たる
鋤簾の柄はよく折れるので柄の交換もよく行っています。その日も新しい柄に交換する仕事があったので柄を納めてある棚を空けてみると、おやおや、残り数本しかありません。
在庫が寂しくなったのでいつもの問屋さんに買いにいく事にしました。
30分ほど車で走った所にその問屋さんはあります。だいたい配達の途中で立ち寄るので長居するつもりはないのですが、業界の新しい情報などを教えてくれるのでつい話し込んでしまいます。
この日もいつものように店主と世間話をしていました。すると急に何かを思い出したらしく、
「そうそう瀧川さん、ちょっと面白い物が入ってきたんですよ、新商品です。」
と嬉しそうに側にある棚から取り出してきたのは確かに初めて見るものでした。
??????
一見何だかよく分からないですね、鋤簾の座金に見えますが金属製ではなさそうです。
「これを挟むと鋤簾の角度を変えることが出来るんですよ。」
いたずらっぽい笑みを浮かべながら店主はそう言いました。
『なん、、だ、と、、』
確かに今までありそうで無かった物です。
「一つ進呈しますので使ってみてください」
頂いたからには試してみないといけませんね。
角度自由自在を使う
まず袋から出してみましょう。
樹脂製の鋤簾の座金のようなものが2枚入っています。
そして、横から見ると
このように角度がついており1枚で5度調整できるようです。
そして、2枚合わせるとなんと10度も角度を変える事が!
実際に入れてみます。
普通ならばこのまま組み立てるのですが、この隙間に角度自由自在を挟み込みます。
今回は50度の柄を基準に使うので5度低くして45度にしてみましょう。
しっかりとボルトを締めます。おお、思ったよりガタツキもなく安定していますね。鍬を構えてみると明らかに角度が低くなっています。
これはなかなかのアイデア商品ですね。今まで45度の鋤簾の柄が欲しくても手に入らないことがあったのでこれさえあれば50度の柄を40~60度の間で調整して使う事ができます。
ですが、ちょっと気になった事があるので試してみます。
今度は2枚挟んで40度にしてみたいと思います。
やはり2枚挟むと若干ボルトの長さが足りないようです。
ですが、ぎりぎり締める事はできました。無理に10度も変えるとボルトが真っ直ぐ入らないので余計に長さが足りなくなるようですね。
しかし、ボルトがしっかり締まってさえいればガタツク事はないので大した問題ではないかなと思います。
そして、この問題については説明書の使用の注意にしっかりと記載されていました。
【使用の際にはネジ部をしっかり締めて下さい。締めた後、ネジが届かない場合、市販の合うネジに交換してください】
なるほど・・・、解決ですね。
まあ、やや問題も抱えてはいますが、このようにプラスマイナス10度の角度を調整出来るというのは画期的です。
40度
60度
よく角度を見ずに鋤簾を購入される方がいますが、まあだいたい私の知っている限り45~60度くらいの種類がホームセンターなどで売られています。
買ったはいいが角度が合わず使いにくい、という場合でもこの角度自由自在という商品を使えばプラスマイナス10度の調整が出来るので自分に合った角度に設定することが出来るのではないでしょうか。
尚、この商品は瀧川鉄工所では取り扱っておりませんのであしからず。