除草機がやってきた!


壊れた除草機

有機農家の方が持ち込んだ依頼ですが、これは・・・・・

確か、除草機だったかな・・・?

よく農家の納屋で朽ち果てている姿を見かける事はありますが、こんなにきれいな姿を見るのは初めてです。現役で使用しているそうですが、片側の付け根が折れてしまって使えなくなったようです。

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そもそもこれはどういうものなのか?

私も詳しく知らないので調べてみました。

水田中耕除草機

水田の中耕除草に用いる機械で、元は除草爪(づめ)、雁爪(がんづめ)、田かき万能などを使用し、腰を曲げての作業であったが、その後、田打(たうち)車を改良した人力手押しの回転式中耕除草機や除草用の八反(はったん)取りにかわり、さらに畜力用三条取り、ティラー用三条取りが一部の地域で利用された。
 回転式中耕除草機は、2個の転車の作用で水稲の条間の中耕除草を行うもので、前転車の爪は細長く先がとがっていて土中に食い込みやすく、おもに反転除草に適し、後転車の爪は幅広く湾曲を強くしてあるので、前転車で膨軟にした土壌を反転埋草するのに適している   コトバンクより

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ほほう、これは便利そうですね。除草剤を使わない農家にとっては必需品かも知れません。

さて、本題です

なるほど、どういう物かは理解できました。問題はどう修理するかなのですよね。

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一番負荷のかかる部分が折れてしまっていますね。

こういう場合は溶接でちゃちゃっと繋げてしまいたいとこです。

しかし、最初から気になっていた事なんですが、

キレイすぎる!

そして、軽すぎる!・・・これは何を物語るのか・・・

これはではなくアルミのようです。

ウチではアルミ用の溶接機はありません。さて、どうするか・・・

手押し除草機の修理

こういう場合は折れて足りない部分を造ってしまうしかないでしょう。

と言うことで一回り太い余ったパイプはないかな?

そんな都合よくあるわけが・・・・・・・あった!

何でも取っておくものですねぇ。

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以前何かの仕事で切り落としたパイプです。

コレの先端を潰して穴を空け、転車とパイプをボルトで留めれば壊れた部分は元通り。

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そして、本体の壊れた部分を切除して、

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パイプを通して、ボルトで縫ってしまえば一応の形は出来上がりました。

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ただ、一回り太いパイプなので若干ガタツキがあります。しょうがないですね、あまり美しくないですが、もう数本縫っておくことにします。

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あとは転車の角度の微調整などをすれば完成です。

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修理完了!これでまた現役復帰できるはずです。次はボルト1本で固く留めるような方法を考えないといけませんね。

おや、よく考えると鍛冶屋らしい仕事は一切してなかったような気が・・・【完】