鋤簾(じょれん)覚書

鋤簾(じょれん)

浅香工業 ジョレン 金象 072319 本体: 奥行151cm 本体: 高さ24cm 本体: 幅24cm

よく見かけるこの道具、土砂などをすくい集めたりする用途に使われます。

水抜き用の穴が開いてたり、そうでなかったり。

うまい表現をしている文章がありました。

【和製スコップ】

まさにこれに尽きます。

ほぼ全農家が所有していると言っても過言ではないこの道具。

今では板鍬の代わりに使用している方もよく見かけます。

板鍬

いやはや、

いろいろと思うところはありますが、これが現状です。

とはいえ、私の中で鋤簾と言えばやはりコレ。

 


広島県の中でも尾道市の御調町に集中して存在するこの鍬。

ほかの場所ではほとんど見かけた事がないですね。

なのでこの地域に営業に行ったときだけしか、

鋤簾を扱うことはありません。

これを預かると、

ああ、ここは御調だ!

と思ってしまいます。

幅が広い分、板鍬より薄く叩き、

刃が折れないように両端だけ少し厚みを付けます。

最後にしっかりと焼き入れして、

新品のときよりよく切れるように再生させます。

これでまた何年も使える鍬になりました。

いつも御調に来る度に沢山の鋤簾鍬を修理してきましたが、

その数も年々減少しています。

やはり【和製スコップ】に淘汰されつつある感は否めません。

偉そうに講釈を垂れているこの私ですが、

年々細かい事をいろいろ忘れている事に気が付きました。

先日、お客さんから

『鋤簾ってどれくらいの大きさ?』

と聞かれたとき、

・・・・・・・・

あれ?どうだっけ???

と返答に困るという、

鍛冶屋にあるまじき事件がありました。

さすがに危機感を覚えたので、後世のために・・・

いや来年の自分の為に記録を残しておかないと!

そう思い、鋤簾鍬を預かる度に採寸して記録しておきました。

その貴重な資料がこちら!

え?

字が汚い?ちゃんと書き直せ?

そこは覚書なのでご愛敬。