鋤簾(じょれん)覚書

鋤簾(じょれん)

よく見かけるこの道具、土砂などをすくい集めたりする用途に使われます。

水抜き用の穴が開いてたり、そうでなかったり。

うまい表現をしている文章がありました。

【和製スコップ】

まさにこれに尽きます。

ほぼ全農家が所有していると言っても過言ではないこの道具。

今では板鍬の代わりに使用している方もよく見かけます。

板鍬

いやはや、

いろいろと思うところはありますが、これが現状です。

とはいえ、私の中で鋤簾と言えばやはりコレ。

 


広島県の中でも尾道市の御調町に集中して存在するこの鍬。

ほかの場所ではほとんど見かけた事がないですね。

なのでこの地域に営業に行ったときだけしか、

鋤簾を扱うことはありません。

これを預かると、

ああ、ここは御調だ!

と思ってしまいます。

幅が広い分、板鍬より薄く叩き、

刃が折れないように両端だけ少し厚みを付けます。

最後にしっかりと焼き入れして、

新品のときよりよく切れるように再生させます。

これでまた何年も使える鍬になりました。

いつも御調に来る度に沢山の鋤簾鍬を修理してきましたが、

その数も年々減少しています。

やはり【和製スコップ】に淘汰されつつある感は否めません。

偉そうに講釈を垂れているこの私ですが、

年々細かい事をいろいろ忘れている事に気が付きました。

先日、お客さんから

『鋤簾ってどれくらいの大きさ?』

と聞かれたとき、

・・・・・・・・

あれ?どうだっけ???

と返答に困るという、

鍛冶屋にあるまじき事件がありました。

さすがに危機感を覚えたので、後世のために・・・

いや来年の自分の為に記録を残しておかないと!

そう思い、鋤簾鍬を預かる度に採寸して記録しておきました。

その貴重な資料がこちら!

え?

字が汚い?ちゃんと書き直せ?

そこは覚書なのでご愛敬。