もっと大きな火箸を造る

超巨大な火箸あらわる

あれは一年前のお話

皆さまは覚えておいでだろうか、あの戦いの日々を・・・

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そりゃもう大変でした。

だって全長53cm、完全に両手で持たないと使えない火箸です。

長いし、重いし、かみ合わせを調整するのも一苦労でした。

正直忘れられない仕事の一つです。

さすがにこれ以上の火箸を造る事はもうないだろう。

そう思っていました・・・。

 

安息の日々はそう長くは続かなかった

それは遠方からの問い合わせでした。

どうやら火箸製造の依頼のようですが、

とりあえず形状と寸法が分からないと何とも言えないので、

画像と寸法を送って頂きました。

そして届いた画像を見た鍛冶屋は、

血の気が引いていくのを感じるのでした。

なんと全長87cm、前回を遥かに上回ります。

しかも真円の材料を掴む為、ハサミが円形になっています。

こいつはヤバい!

鍛造でキレイな円を造るのは非常に難しい作業です。

しかもミリ単位でサイズを合わせないといけません。

考えただけでも恐ろしい!

特大でしかも特殊、完成までのイメージが全く見えてこないですね。

とりあえず

なにはともあれ一番大事なのは、

正確な図面を書く事だと思っています。

製図を習った事はないので写真と寸法を見ながら自分流で書いていきます。

実寸で図面を書きました。

今回は火箸で掴む材料を預かっていないので図面だけが頼りです。

こうやって丁寧に図面を書いていくうちに、

なんとなく完成への段取りが出来てきました。

部分的にイメージできない箇所はありますが、

そこは造りながら解決していくしかありません。

それでは、やってみましょうか!

イケイケドンドン

少し造っては図面に合わせ、また少し造っては合わせ、の繰り返し。

さらに火箸は2つのパーツを組み合わせる為、

左右対称にしなければいけません。

時間と燃料があっという間に溶けていきます。

数日後

やっとできました!

何度も何度も重ね合わせた為、

段ボールに書いた設計図が焦げてしまいました。

感無量です・・・

いやぁ、デカいですね、最長記録更新です。

お陰様で体もガタガタになりました。

さすがにこれ以上大きい物はもうないでしょう。

・・・と信じたいです(完)