杵(きね)じゃないよ掛矢だよ!
ぽっきりと柄が折れていますね。柄の交換をしなくてはいけませんが、さて、これは何でしょうか?
木製のハンマー、木槌、呼び方はいろいろあるかと思いますが、これは掛矢【かけや】という道具です。
土木協会のサイトによればこう説明されています。
掛矢(かけや)とは、樫(かし)などの硬い木で作られた大型の木槌(きづち)のことです。「掛矢」は杭(くい)などを打込む時や、物を壊したりするのに用いられますが、土木の現場では、主に土工事の目標となる杭を地中に打込むために用います。
槌(つち)の部分の直径は13~15cm、全体の長さが24~27cm、柄の部分が90cm 程度あります。重さが3~4kg ほどあるため、「掛矢」を振り回して杭を打込むことは容易ではありません。
掛け矢の柄
さて、新しい柄を入れるためには古い柄を抜かなければいけませんが、
その前に掛け矢の柄の特徴を知っておきましょう。
ホームセンターで買ってきた掛け矢の柄です。
なぜ、このように大きなラベルで鍬の柄と区別してあるのかというと
掛矢の柄には大きな特徴があるからです。
このように柄差しがテーパーになっています。
先端になるほど柄が太くなっているのが画像でもお分かり頂けると思います。
これを踏まえて壊れた掛矢を見てみると、
本来、柄の広がった部分で留まっているのですが、長い年月の使用により、中まで入り込んでいます。スッポリ抜けないのはテーパーのおかげですね。
クサビなどは一切使用してないので、叩けば抜けます。
先程説明したように先端が広がっているので叩くのはこちらから!
決して逆から抜いてはいけません。
本体は木製なので無理をすれば割れてしまうかもしれませんよ。画像では叩きやすいように折れて尖った部分をノコギリで切ってあります。
はい、抜けましたね。あとは、柄を入れるだけです。
神経質な鍛冶屋の小言
そこで、ちょっと疑問に感じたことがありまして、鉄製のハンマーなどには上下というか、柄をどっちから入れるか決まっているのですがこの掛け矢、どっちの穴から見ても違いがあるような感じはなく、もしかしてどっちから入れてもええんかな?と思ってしまいます。
気になっていろいろ調べてみたのですが、そのような記載はありませんでした。
念のために入っていた柄と同じ方向で柄を入れたいと思います。なので目印をしておきました。
掛け矢の柄を入れる
取りあえず柄の丸い方から差し込んでみましょう。
スルッと入るのはこのくらいまででしょうかね。
もうちょっとしっかり差し込みたいのでハンマーで柄の四角い方の先端を軽く叩いてやりましょう。
そもそも使えば使うほどきつく締まっていく仕組みなので本当に軽く留まれば十分です。
本体も木製なので叩きすぎて割れてしまっては元も子もありませんからね。
これくらい入れば十分。
これで、また次の代まで使われていくことになるでしょうね。
そう、一番注意しなくてはいけない事を言い忘れてました。
柄を買う時に間違わないことです、お気を付けください。
それでは、良き鍬ライフを~!