鍛冶屋の日常
フライトロードにて 広島空港から世羅まで約30㎞を ほぼノンストップで走れるこの自動車道路は フライトロードと呼ばれています。 地道と比べるとかなり時間短縮できるため、 北部に営業に行く場合はよくこの道を通っています。 多いときは週に2~3回通ること…
鋤簾(じょれん) よく見かけるこの道具、土砂などをすくい集めたりする用途に使われます。 水抜き用の穴が開いてたり、そうでなかったり。 うまい表現をしている文章がありました。 【和製スコップ】 まさにこれに尽きます。 ほぼ全農家が所有していると言…
黄昏時に 『私ももう90だからこれが最後じゃろうねぇ・・・』 こう言われた時、正解の返答が未だに解りません。 いやいや・・・、まだまだ、ははは。 と誤魔化したように笑うのが精一杯です。 まだまだですよ、頑張ってください・・・ これは違う気がしま…
またまたO氏登場 このブログ常連のO氏・・・まあ岡田さんなんですけどね(アッサリ その筋では有名な、知る人ぞ知る・・・そうあの岡田氏なのです。 今回は内容の都合上名前ださせていただきますよ(了承済)。 www.takitetu.com 農業の枠を越えていろいろな活動…
絶妙のタイミングで それは毎年必ず伺っているお宅に行った時の事。 車から降りて中庭に入った所で丁度奥様に出会いました。 「いつもお世話になります、瀧川鉄工所です。この度は何かご用は・・・」 と言いかけたところで、 プルルルルルルルルルルルー 家…
ある寒い日 今日はこの冬一番の冷え込み、北部は雪が降るかもしれないとか。 貧乏暇なしの鍛冶屋さんは休むわけにもいかずいつもの配達に向かいます。 目的地はやや北部ですが、そこまで雪深い地域でもなく大丈夫かなと思いながら車を走らせます。 最初は晴…
生きた記事 知り合いの紹介で編集長の沢田さんと知り合いになったのが一年前、 それから時々出来上がった雑誌を頂くようになりました。 丁寧なお手紙も添えられています。 せっかく頂いたので目を通してみるとなかなか興味深い。 最近はスマートフォンなどで…
鍛冶屋の謎 瀧川鉄工所は主に鍬の製造・修理を行っており、 だいたいの物は自前で作っています。 毎日振っている金槌や、様々な火箸も先代が造った物です。 ですが、鍬の柄だけはどうにもなりません。 さすがに仕入れています。ええ、人任せです、ハイ。 今…
コロナ禍において 令和2年になってコロナという流行病が世界を席巻するようになってから、社会の様相がめまぐるしく変化していきました。 緊急事態宣言、密を避ける為のソーシャルディスタンス、マスク警察・・・ 今まで聞いて事の無い言葉が次から次へと飛…
鍛冶屋の秘密道具 『おたくの鍬は角度がぴったりで使いやすいねー』 と修理した鍬の角度を褒められる事がよくあります。切れ味ではないのかと拍子抜けするのですがそれはそれで嬉しいですね。 使い古した鍬を修理する為に一旦柄から外し、曲がったり折れたり…
うちのお店は日曜日と盆と正月が休みですが数年に一度平日に仕事をしない日があります。 そして、その日がやってきました。 火床(ほど)を造り直す 鍛冶屋の仕事は火造り鍛造、毎日鉄を融点近くまで焼いてハンマーで叩いています。この火を燃やして風を送り…
今回は当初の予定を変更して特別企画をお送りします。尚予定しておりました【鍛冶屋とフラメンコダンサー】は後日掲載させて頂きます。 特別企画 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が全国に拡大されました。事態が収束する兆しは未だ見えません…
小さな悪魔 「目が!目がぁぁぁぁぁ~!」 ああ、目にゴミが入ったんですね、分かります。ウチの職場でも良くあるんですよね。 ハンドグラインダーや大型グラインダーなどの研磨機械もよく使うのでゴーグルなどの安全対策は必須です。 しかし、目に入るときは…
O氏からの依頼 今回もO氏がらみのお話なので知らない方はコチラをどうぞ。 www.takitetu.com 以前、O氏のお宅に伺った時、大事そうに一冊の本をを持って来て私に見せてくれました。その本は農業の写真集で、農作業中の農家や農具の写真を専門に撮っている…
鍛冶屋の無駄遣い いやぁ、近日中にまた挑戦するとかなんとか言ってはや数ヶ月。 www.takitetu.com いえいえ忘れていたわけじゃないんですよ。むしろいろいろ試していました。 飾り職人への道のりは遠く険しい・・・。 ビー玉です。焼き鳥みたいに串刺しにし…
ここは瀧川鉄工所。広島県竹原市、その町外れにひっそりと佇む鍛冶屋です。 ここには農具について色んな悩みを抱えた方が訪れますが、今日は一体どんなお客さんがやってくるのでしょうか。 柄の付いた鉄の棒 おや、 これは一体なんでしょう? 座頭市の仕込み…
最近の農具事情 農業従事者の高齢化に伴い、昔は一日中鍬を振っていた方もだんだんと重い鍬が使えなくなってきます。 『もう鍬が使われんようになったわ』 そう言って寂しそうに笑うお客さんも少なくありません。それでも自分が使える軽い鍬を持って田畑に出…
鍛冶屋かんざしに興味を持つ 夕食が終わり子供も寝付き、やっと落ち着いた時間、私はテレビゲーム、奥さんはスマホをいじっています。 すると、奥さんが 『そうそう、かんざしが壊れたんよ~』 「へぇ~、たいへんだね~」 私にスマホを見せて続けます 『新…
五月になって暖かくなるといたる所に新しい命が芽吹いてきます。新緑の山々、田畑のあぜ道、庭の花畑、ディズニーアニメのように歌いまくって踊り狂いたくなる季節ですが、悲しいかなこれは現実の物語。寒い季節にたまったU字溝の堆積物から異臭が漂ってくる…
顧客満足度なんていう言葉がありますが、自分は常に100%を目標にしています。まあ、当たり前の事なんですけどね。お互い【ありがとう】と言って終われる仕事を目指して日々精進している訳なんですが、中には手強い方もおられました。 NOT SATIS…
4月になり桜も満開で鍛冶屋は今日も営業回りです。 今日向かう場所は去年7月の豪雨災害で大きな被害を受けた地域です。被災直後に来てから9ヶ月経ちました。前回は山道を避け大きい道を選んで通りましたが、それでも何ヶ所も通行止めになっていました。土砂…
鍛冶屋、虫掘り鍬におののく その日、廿日市市から訪れたお客さんが持ってきた鍬に私と親父は驚きを隠す事が出来ませんでした。 高速道路経由で約1時間半、遠路はるばる廿日市から竹原へやってきたその方が持ってきたのは虫掘り鍬、摩耗した状態でも50㎝近…
闘う男 O氏 まず、今日の出来事を話す前に彼の事を説明しなくてはいけません。 彼と知り合ったのは数年前、農作業中に声を掛けた事から始まります。30そこそこの若者が専業農家というのも珍しかったのですが、親の代から農家という訳ではなく、自分から農…
誰でもふとした時に行きたくなる馴染みの店というものがあります。 一人になりたいとき・・・寂しいとき・・・そして、そこにいるだけで心落ち着く場所。自分にも最近よく立ち入るお店があります。 そこは綺麗なオネーサンに会えるバーでもなく、渋いマスタ…
いつも農具の修理をしていますが一つとして同じ鍬はありません。劣化や摩耗の具合などから持ち主の人となりが見て取れます。なので、こちらもその方に一番合った修理の仕方をいつも心がけています。 お客様との出会いは一期一会、そう思って日々精進していま…
「生きていたのか、貴様!?」 『シャバの空気が恋しくってよう、 地獄の縁から舞い戻ってきたぜ!』 男子たるものこんな台詞を一生に一度は吐いてみたいものですが、鍛冶屋の私は年に一度は似たような台詞を吐いています!(ドヤ顔) 先日も営業回りの時に…
有機農家の収穫祭 若くて元気な農家の方を中心としたイベントで主に有機野菜の販売、それを使った料理の販売、その他、手仕事で作られた物を販売するお祭りで今年が第2回目になります。 ご縁というものはどこで生まれるかわからないもので、このイベントの実…
秋雨来たりなば春遠からじ 夏が終わりやっと過ごしやすくなったかと思えばだんだんと肌寒さを感じるようになってきました。そして、冬の訪れを感じる頃、鍛冶屋の営業は時間との闘いになってきます。 昼過ぎに自宅を出発すると目的地に着く頃には日が傾き始…
日本における刑事裁判の有罪率は実に99.9%、一度起訴されてしまえばほぼ有罪が確定してしまう。このドラマはそうした絶対的不利な条件の中、残りの0.1%の無罪にすがりつく中年鍛冶屋の物語である! coming soon 自分はその日も営業で山を越え谷を越え、農…
あわてんぼうの鍛冶屋 その日は仕事の段取りが悪く、かなり時間が押し気味だったので慌てて配達に出かけてしまいました。目的の村落にたどり着いたのはもう夕方近くでした。さて、がんばって営業するぞ!とカバンを開けてゴソゴソと探ると大事な物がありませ…