鳶口とは
鳶口(とびぐち)とは林業などで材木の運搬などに使われる道具です。
その名の通り、鳥の鳶(とび)のクチバシに似ている所からついた名前で、
1,5メートルから2メートルくらいの長い柄がついているのが特徴です。
引っかけるのではなく打ち込んで引きずるような使い方をします。
その為、先端はこのような形状になっています。
しっかり食い込んで、引きずっても抜けにくい。
そして、抜きたいときは完単に抜けるように先端を少しだけ曲げてあります。
あると便利な道具なので農家の方もよく持っておられます。
そして、長年使っていると先端が摩耗して刺さらなくなったり、
時には折れたりします。
そういった鳶口の修理をいただく事が時々ありますが、
頭を抱えるような事が稀にあります。
鳶口は鳶口でも
今まで何件か預かった鳶口ですが、何か違う。
農家の方が購入されたものです。
どうにも木材に刺さりにくいらしく、
先をもっと細くしてほしいという依頼なのですが、
これは・・・
消防用鳶口です!
そもそも用途が違います!
これは火事の現場で建物の延焼を防ぐ為に使う道具なのです。
思い切り叩き込んで燃えている建物を壊したり、
柱に引っかけて倒したりする道具なので相当丈夫に作ってあります。
そのため林業用の鳶口よりかなり重い!
命がけの現場で使う道具なので農業には正直使えません。
これを間違って購入されている方を時々見かけます。
過去に一応改造してみたことはありますが、
やはりいい結果にはなりませんでした。
これはもうウチでもどうにもならないので、
鳶口購入の際には、
林業用か消防用かをしっかり確認の上、
お買い上げください。
以上、鍛冶屋からの注意喚起でした。