不器用な鍛冶屋

鍛冶屋かんざしに興味を持つ

夕食が終わり子供も寝付き、やっと落ち着いた時間、私はテレビゲーム、奥さんはスマホをいじっています。

すると、奥さんが

『そうそう、かんざしが壊れたんよ~』

「へぇ~、たいへんだね~」

私にスマホを見せて続けます

『新しいの探してるんだけどこれなんかどう?』

「へぇ~、いいんじゃない」

『これはどう?』

「へぇ~、いいんじゃない」

『これは板金職人さんが造ったやつらしいよ』

「ん、そうなんだ、いいんじゃない」

その時、オート返事モードになっている自分の心に何かが芽生えたのを感じたのでした。

もしかしたら俺でも出来るんじゃね?

次の日

脳内お花畑の生み出した超甘い考えからちょっと造ってみることに。設計図は頭の中、仕事ではないのでとりあえずマッハで造ってみました。

叩き伸ばした金属の棒

鍬の材料の切れっ端を拾ってきて叩き出し、それをグラインダーで軽く磨いています。

イメージとしては、葉っぱみたいな~感じ?うん適当です。そして、アシンメトリーにしたかったんで、まあ概ねこんな感じです。参考資料は嫁がチラッと見せてくれたかんざしのサイトとあとは必殺仕事人ですかね。

頭に載せてみると何だか重い。一日付けておくと首がこりそうなんでもっと軽量化しないと。そしてザラザラ、まだ人体に装着するにはほど遠い仕上がりです。

軽くなるまでグラインダーで削っていき、また頭に乗せて再計量。まあ、いいかな。そして次は髪を傷めないように徹底的に磨きます。少しずつ目の細かいヤスリで磨いていき、最後には刃物用砥石で磨いてみました。

きれいに磨かれた金属の棒

いいんじゃない?と思って嫁に見せると

『尖ってるから危ないし、大きすぎ』

そう言って一蹴されてしまいました。確かになんか三国志の女将軍みたいになってましたけどね。そうだ、ウチの嫁はこんなやつだった。サプライズプレゼントでも平気でケチつけやがる。ちくしょー、尖って無ければいいんでしょ!と泣きながら削って磨き直します。

きれいに磨かれた金属の棒

かなり小型化しました。うん、もうなんか普通ですね、面白くもなんともない。まあ、とりあえずこれで付けてみてもらいました。

手造りのかんざしを差した嫁

なんか槍みたいですね。これでも少し尖っているのが気になるようです。

『丸いのがいい。丸くして円の中を抜いたのがいい。』

なんだとっ!最初からそう言わんかい!

ってまあこっちが勝手に造ったので言えるはずもなく・・・

結局、もう一回削り直してこれはこれで完成ということにしました。

きれいに磨かれた金属の棒

耳かきやんけ!ってツッコミたくなるような事になってしまいましたが、嫁はこれくらいで丁度いいそうです。しかし、なんだか自分はスッキリしません。

このままでは終われないので、次はもっと良い物造って嫁をギャフンと言わせてやりたい。

なので近日中にまた造ってみたいと思うので続報をお待ち下さい! 【未完】