鋤簾の柄がガタつく場合の対処例

なぜ鋤簾の柄は緩むのか?

瀧川鉄工所で修理された鋤簾

鋤簾は長く使っているとガタガタ動くようになる事があります。ボルトが緩んでいるだけなら締めればいいのですが、ボルトがきっちり締まっているにもかかわらずガタガタする・・・。そうなると力が入らなくなり、使いにくい鍬になります。一体どうしてなんでしょうか?

ボルトとナットでしっかり締まっている鋤簾

その理由は2つあります。

  1. 金具の中の柄が朽ちている
  2. 金具の中の柄が痩せている

1の柄が朽ちている場合はもう柄を交換した方がよいでしょう。ボルトを外して金具を取った瞬間ボロボロッと粉が落ちてしまうくらい中がスカスカになっているからです。

ですが、2の場合は悩ましいところ。柄が少し痩せて金具がスライドするくらいの隙間が出来ていますが、特にどこも傷んでいないので柄を交換するのは何だかもったいない気がしますね。

とりあえず分解してみましょう。ここで金具が外れるか外れないかは日頃の管理によります。使った後しっかり洗って土を落としておけば外れやすくなり、逆に使いっぱなしで放置しておくとボルトとナットが朽ちて外れなくなってしまいます。

そうなるとグラインダーでボルトを擦り落としてしまわないといけません。

www.takitetu.com

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緩んだ鋤簾の柄を固く留める

なんとか外れそうですよ。さて、中はどうなっているんでしょうか?

ボルトとナットが緩んで柄が外れそうな鋤簾

どうやら、柄が痩せて隙間が出来ているようですね。

金具がずれてしまった鋤簾の柄

自分の場合は隙間の大きさにもよりますが、ギリギリスライドするくらいなら木工ボンドで留めてしまいます。

金具の入っていた根元の部分に木工ボンドを塗られた鋤簾の柄

ですが、古い鋤簾だともっと隙間が大きくなって金具が柄から完全にはずれてしまうような場合があります。それを無理矢理木工ボンドだけで留めてしまおうとすると角度が変わってしまい、また外れやすくなります。

こういう場合大体の方は釘などを詰めて固定しようとするのですが、そもそも鋤簾の柄は折れやすいのであまり傷を付けるのは感心できません。
ですが、希にかなり器用な方もおられまして、鋤簾の柄の隙間に薄いゴムの板をきっちりはめ込んでいたり、厚めの布を巻いていたりして、しっかり固定していたのを見て驚いた事があります。

そんな先人の知恵を参考にして自分はこれで痩せた柄をしっかり固定してみたいと思います。

木工ボンドとマスキングテープ

木工ボンドとマスキングテープですね。どちらもホームセンターなどで手軽に手に入ります。

まずマスキングテープを柄に巻いていきます。そして、先端の余った部分をカットしてとりあえず軽く金具に入れてみます。金具を入れる時はテープを巻いていない方から入れてください

金具の入っていた根元の部分にマスキングテープを巻かれた鋤簾の柄

マスキングテープを巻かれた鋤簾の柄に軽くはめ込まれた金具

なかなかきっちり入っていきます。1周ぐるっと巻いただけですが良い感じの入り具合です。これでいけそうなので一旦外してテープの上から木工ボンドを塗ります。

マスキングテープを巻いた鋤簾の柄に塗られた木工ボンド

補修した鋤簾の柄にしっかりはめ込まれた金具

金具から柄が飛び出さないよう、また引っ込まないように入れてください。ボルトの穴の位置もずれないように要確認です。マスキングテープは紙なのでドライバーなど尖った物で突けばすぐ穴が空きます。

そして、一晩もおいておけば乾いて動かなくなります。これで少し凸凹があるようなら木工ヤスリなどで削って平面になるようにしておきましょう。

金具と柄の間に塗られていた木工ボンドが乾いた鋤簾の柄の底面

凸凹を磨いてきれいになった鋤簾の柄の底面

これで当分大丈夫。それでは良き鍬ライフを~!